しとしとと降り続く雨の朝の渋滞に紛れながら、車のワイパー越しに歩道のカラスに目をやる。
まるで雨なんか降っていないように一生懸命、ごみをつついて何か食べている。
人間が、カラス対策と目論んでかぶせた緑色のネットなんかまるで意味をなさいように。
カラスは雨が苦手じゃないのかしら。
濡れるじゃない。
でも、カラスには今の食糧が重要。そんなこと気にしていられないのかもしれない。
そんなことを思いながら、カラスのたくましい食事の光景を見ていました。
なんだか、今の自分にちょっとだけ似ていると思えて、おかしい。
カラスには、濡れて乾かすための服や、雨をよけるためのカッパも傘も長靴も、ない。
だから逞しいんだ。
食べて、生きる、という目的がはっきりしているから、他に余計なものなんかない。
世の中のお金を持っている人、経営層や強烈な想いを持っている人、彼らは総じて、服装がシンプルだったり、余計なものを持っていなかったりする。
ザッカーバーグさんもジョブズさんもローランドさんも!
ちょっと意味は違うけれど、聖書にだって書いてある。
「栄華を極めたソロモンでさえ、この花の一つほどにも着飾ってはいなかった。」
-ルカによる福音書 12章22―34節より-
やっぱりカラスにはなりたくないけれど、私も、その時にできる最大限の最適な選択をして、一つの大事なものを見抜き、取捨選択をしていこうと思った、そんな朝の雨でした。