「それは私の問題じゃない技法」

最近、手に入れた技があります。

それは、「それは私の問題じゃない技法」です。
捉え方によっては、勝手な言葉に聞こえちゃうかもしれないけれど。

私は今まで、ある程度の本を読んできて、そして、全ての事象を当事者意識をもって、自分事として捉えることが善と思っていました。特に「上に立つべき者は…」的な本にはそのような事がたくさん書かれていますよね。

逆に、当事者意識を持っていない者は物事の本質を見ることができないし、相談を受けたり指示したり、まっとうな仕事なんかできない。それは、徹底的に相手目線での仕事をすることとも言えると思います。

それはすごく正しいと今でも思っています。

ただ、私の場合、なんでも真正面から受け取って、自分の中に徹底的に吸収していきたいと思うあまり、全ての好ましくない事象に対して自分の責任であるとはき違えてしまっていたのです。

例えば、社内で従業員同士のコンフリクトがあったりすると、私はそのことに対して、もっと最善を尽くせたのではないか、こういう助言を与えていたら良かったのではないか、他人事として行動を起こさなかったのは、私の悪い所だ、と一緒に悩むことが正しいのだと思っていました。

人から非難されれば、すべて自分に非があると思っていたし、心がとても脆弱になりました。

どうして私はもっとうまく出来ないんだろう。どうしてもっとあの人みたいに出来ないんだろう。どうして私はこんな容姿なんだろう。どうして私はこんなに頭が悪いんだろう…。

自分を責めるところは際限なくあふれ出てきます。

そうして、私は深い沼の底に行くことになるのですが…笑

沼からちゃんと上陸した今は、自分が潰れる事が自分の為にならないだけではなく、周囲の人の為にならないと気付きました。そして沼から上がった時に手にしていたのは、前述した、「それは私の問題じゃない技法」という武器です。

この武器はとても強靭で、今、つくづく自分は強くなったなぁと思います。

例えば、ある人に対して何もしていないのに、その人が私の事を嫌いだったとしたら…

(Before)

あの人が私の事を嫌いなのは、きっと私の〇〇がいけないんだ。なんて自分はダメだんだ…。あまり彼/彼女の気分を害さないように、大人しくいよう…。

(After)

あの人が私の事を嫌いなのは、私の問題ではない。それは彼/彼女の問題であって、私がどうこうする問題ではないし、どうこうできる問題でもない。放置!

このように考えられるようになりました。

世の中には、自分がどうこうできる問題とできない問題とがあって、それを嘆いても仕方ないこと。過ぎ去ったことを憂うのも、どうにもできないから、ただの時間の無駄。「悩む」というのは、改善する時の為に使うもの。そう自分に徹底的に思い込ませる。

そもそも、私はその人のために生を受けたわけではないし、そんなこといちいち気にしていられないし、ほっておく!それに尽きると思います。

それよりか、自分が思うように生きて、「私という人間はこうなんだ!」と胸を張って周囲に認めさせるくらいが丁度いい。

ただ、気を付けなければいけないのは、努力をしないこととは違う、ということ。

解決したい物事に対して、どうでもいいというのは違う。

よく、会社を辞める人が口にするのは「会社の方針についていけない」「社長とは意見がちがう」「会社が変わらないので」。

「では、あなたは会社を変えるために、いったいどれくらいのことをしましたか?」

「変えれなかったのは、あなたの力不足ではないですか?」

私が辞表を出すときは、

①もう頑張って頑張って、虫の息くらいになっちゃうくらいやりつくして、もう駄目だ…と思う

②この会社からもう学ぶものは無い

③あまりにも常識を逸脱したような会社で、精神的にも幸せになれないと思った時

④求められていることと、自分の能力があまりにも畑違いであるため、win-winの関係になれるのは10年後と思われる時

と決めています。

会社が変わらないから、なんて思うなら、自分が思い描く会社を自分で作ったらいい。

思い通りになる会社なんて、世界中探すことの方が難しい。

文句を言うなら、さっぱりと辞めればいい。

辞めないのなら、自分のその口を閉じたらいい。

(でも、人間だから少しの愚痴や弱音は、気ごころ知れた限られた人ならいいと思います笑)

要は、どんな環境であれ、自分がどう動くか。自分が今いる環境でどれだけ成長できるか。

とある会社の社長は社員の入社式のスピーチで「君たちにはこの会社を踏み台にして、どんどん成長していって欲しい」っと言ったといいます。すてきな社長さんです!(私もそんな人になる!)

ともあれ、そんな人は強い。

どこにだって生きていける。

今後も自分と他人の問題の境界線をちゃんと引いて、堂々と胸を張って、背筋を伸ばして、時間を大切にしたい、そう思います。

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